「洗剤を使ったのに汚れが落ちない…」そんな経験はありませんか?
実は、シミや汚れの種類によって、効果的な洗剤やシミ抜き剤はまったく異なります。

そのカギとなるのが「成分」です!
この記事では、洗剤や石鹸、シミ抜き剤に含まれる主な成分と、それぞれが得意とする汚れを分かりやすく解説します。
汚れ別の染み抜きガイドはこちらから
なぜ成分で汚れ落ちが変わるのか?
シミや汚れには、食べ物由来のものや油性インク、泥、血液などさまざまな種類があります。それぞれの汚れは性質が異なり、たとえば油汚れには「油を溶かす成分」が必要ですが、タンパク質汚れには「分解する成分」が必要になります。
つまり、洗剤選びで重要なのは「どんな成分が入っていて、どんな汚れに効くのか」を見極めること。適した成分を選ばなければ、汚れは落ちず、衣類を傷める原因にもなりかねません。
成分別に見る!汚れへの効果と対象例
ここでは、よく使われる洗浄成分を一つひとつ紹介し、それぞれがどのような汚れに対応しているのかを詳しく解説します。
酵素(プロテアーゼ・リパーゼなど)
酵素は、血液や皮脂、食品汚れなどのタンパク質や脂肪を分解する役割があります。洗濯用洗剤やシミ抜き剤によく使われる成分で、目に見えない汚れまで分解してくれる頼もしい存在です。特に子どもの服や、食べこぼしが多い場面では酵素入りの製品を選ぶと効果的です。
界面活性剤(陰イオン系・非イオン系)
界面活性剤は、油と水を混ざりやすくし、汚れを浮かせて落とす働きがあります。ほとんどの洗剤や石鹸に含まれており、皮脂や食用油、化粧品など「油を含んだ汚れ」に強いのが特徴です。落ちにくい油染みには、界面活性剤が必須です。
漂白剤(酸素系・塩素系)
色素汚れに対応する成分として有名なのが漂白剤です。赤ワインやカレー、果汁、コーヒーなど、色が沈着したシミに対して酸化の力で色素を分解し、無色に近づけます。酸素系漂白剤は衣類にやさしく、色柄物にも使えるため、家庭用として使いやすいのが魅力です。
有機溶剤(エタノール・リモネンなど)
ボールペンや油性ペンなどの「溶剤系のインク汚れ」には、有機溶剤が効果を発揮します。これらはインクを溶かす力があるため、ポイント的なシミ抜きにぴったり。口紅やマジック、油性マーカーなどもこの成分で対処できます。
アルカリ剤(炭酸塩・ケイ酸塩など)
アルカリ剤は酸性の汚れを中和するほか、界面活性剤の効果を助ける働きがあります。泥汚れや汗、皮脂などに効果的で、作業着や靴下の黒ずみなどにも強いです。洗濯石けんの多くはこの成分を含んでおり、洗浄力の高いアイテムには欠かせません。
酸性成分(クエン酸など)
アルカリ性の汚れに対応するのが酸性成分。水垢や石けんカス、金属石鹸のような白く残る汚れを中和して落とす働きがあります。洗濯槽の掃除や、洗面台まわりの掃除にも活躍します。
蛍光増白剤(蛍光染料)
一見落ちにくい黄ばみの対策に使われるのが蛍光増白剤。実際に汚れを落とすわけではなく、繊維に青白い蛍光を与えて“白く見せる”効果があります。白シャツや肌着に使うと、洗い上がりがぱっと明るくなります。ただし色柄物やナチュラル素材には不向きです。
よくある汚れ別!効果的な成分とアイテムの選び方
実際に汚れがついたとき、どの成分を含むアイテムを選べばよいか迷う方も多いでしょう。以下は代表的な汚れごとの最適な成分とアイテムの組み合わせです。
成分カテゴリ | 主な成分例 | 得意とする汚れ・対象 | 主な働き・特徴 |
---|---|---|---|
界面活性剤 | アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)、非イオン界面活性剤など | 油汚れ、皮脂、食用油、化粧品、調味料 | 油と水をなじませ、汚れを浮かせて落とす |
酵素 | プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼなど | タンパク質汚れ(血液、卵、牛乳)、皮脂、食品シミ | タンパク質・脂質・でんぷんなどを分解し、汚れを剥がす |
漂白剤(酸素系) | 過炭酸ナトリウム、過酸化水素水 | 色素汚れ(赤ワイン、コーヒー、カレー、果汁など) | 酸化作用で色素を分解・無色化する |
漂白剤(塩素系) | 次亜塩素酸ナトリウム(ハイターなど) | 白物衣類の黒ずみ、カビ、雑菌、黄ばみ | 強力な酸化作用で漂白・除菌・脱臭を行う。色柄物には不向き。使用時は換気必須 |
有機溶剤 | エタノール、イソプロパノール、リモネンなど | 油性インク、ボールペン、口紅、マジック、接着剤など | 油性成分や顔料を溶解する |
アルカリ剤 | 炭酸ナトリウム(炭酸塩)、ケイ酸ナトリウム、重曹など | 泥汚れ、汗・皮脂、黒ずみ、黄ばみ | 酸性の汚れを中和し、洗浄力を高める |
酸性剤 | クエン酸、酢酸、スルファミン酸など | 水垢、カルシウム汚れ、金属石鹸、黄ばみ | アルカリ性の汚れを中和・溶解する |
蛍光増白剤 | スチルベン系蛍光染料 など | 黄ばんだ白い衣類(演出的な白さ向上) | 青白く光らせることで白く見せる効果があり、実際の汚れは除去しない |
界面活性剤
水と油を混ぜる働きがあり、油汚れや皮脂汚れを浮かせて除去します。洗浄力の基盤となる成分で、多くの洗剤・石鹸に含まれています。種類によって肌への刺激や泡立ちなどの性質が異なります。
酵素(プロテアーゼ・リパーゼ・アミラーゼなど)
タンパク質・脂肪・デンプンなどを分解する天然由来の成分。血液・皮脂・食品汚れなど「有機物の汚れ」に強い。特に低温でも効果を発揮します。
漂白剤(酸素系)
過炭酸ナトリウムや過酸化水素などが主成分。色素を分解して無色化する作用があり、黄ばみや色素系のシミに有効。色柄物にも比較的使えるのが特徴です。
漂白剤(塩素系)
強力な漂白・除菌作用を持つが、色柄物やデリケートな素材には使えません。使用には十分な注意が必要です。主成分は次亜塩素酸ナトリウム。
有機溶剤(アルコール類、リモネンなど)
インク、油性マーカー、口紅などの“油性の色素汚れ”を溶かして除去。速乾性があり、応急処置用としても使いやすい。
アルカリ剤(炭酸塩、ケイ酸塩、重曹など)
酸性汚れを中和したり、界面活性剤の働きを助ける役割。泥汚れや黒ずみ、皮脂汚れなどに有効です。洗剤のpHを調整する目的でも使用されます。
酸性剤(クエン酸など)
アルカリ性汚れ(石けんカス、水垢など)を中和・除去。洗濯槽クリーナーや柔軟剤の一部にも使われます。
蛍光増白剤(蛍光染料)
実際に汚れを落とすわけではなく、青白い光を放つことで黄ばみを目立たなくし、白さを演出する成分。白い衣類を白くするために使うことが多い。白以外の服で使用すると白っぽくなることがあるため注意が必要。
シミ抜き剤に含まれる主な成分と製品
商品 | ![]() ![]() オキシクリーン マックスフォース | ![]() カミナガ 「8割落ちる染抜き剤」 | ![]() ドクターベックマン 「ステインペン」 | ![]() エポックケミカル「shimitori」 |
---|---|---|---|---|
液性 | 弱アルカリ性 | 中性 | 弱酸性 | 弱酸性 |
界面活性剤 | 含まれる | 含まれる | 含まれる | 含まれる |
酵素 | (皮脂汚れ⚪︎) | 含まれる含まない | 含まない | 含まない |
有機溶剤 | 含まない | (油性汚れ⚪︎) | 含まれる含まない | (油性汚れ⚪︎) | 含まれる
蛍光増白剤 | 含まない | 含まない | 含まない | 含まない |
アルカリ剤 | 含まれる | 含まない | 含まない | 含まない |
酸素系漂白剤 | 含まない | 含まない | (白い服⚪︎) | 含まれる含まない |
購入 | 楽天 Amazon | 楽天 Amazon | 楽天 Amazon | 楽天 Amazon |
成分ごとに表でまとめてみると、それぞれの特徴が浮かび上がってきますね。
下記の表に簡単にまとめてみました。
![]() オキシクリーン マックスフォース | 酵素が含まれるため皮脂や血液の汚れに強い (汗染み、血液など) 購入は下記リンクから 楽天Amazon |
![]() カミナガ 「8割落ちる染抜き剤」 | 有機溶剤が含まれるため油性の汚れに強い (食べこぼし、ボールペンなど) 購入は下記リンクから 楽天Amazon |
![]() ドクターベックマン 「ステインペン」 | 酸素系漂白剤が含まれるため白いワイシャツなどにできたシミの応急処置に比較的向いている 購入は下記リンクから 楽天Amazon |
![]() エポックケミカル「shimitori」 | 有機溶剤が含まれるため油性の汚れに強い 購入は下記リンクから 楽天Amazon |
石鹸
商品 | ![]() ![]() 株式会社東邦「ウタマロ石鹸」 | ![]() カミナガ「エネロクリーン」 | ![]() 矯正協会「ブルースティック」 |
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界面活性剤 | 含まれる | 含まれる | 含まれる |
有機溶剤 | 含まない | 含まない | 含まれる |
蛍光増白剤 | 含まれる | 含まれる | 含まない |
アルカリ剤 | 含まない | 含まれる | 含まれる |
購入 | 楽天 Amazon | 楽天 Amazon | 楽天 Amazon |
![]() ![]() 株式会社東邦「ウタマロ石鹸」 | オーソドックスな洗濯石鹸。蛍光増白剤が含まれるため、白い素材に効果的です。蛍光増白剤が服に残ることで白さを強調しますが、肌に触れた場合に悪影響が少なからず懸念されます。 購入は下記リンクから 楽天Amazon |
![]() カミナガ「エネロクリーン」 | アルカリ剤が含まれるため泥汚れなどに強い。 蛍光増白剤も含まれるため、白い素材に効果的です。蛍光増白剤が服に残ることで白さを強調しますが、肌に触れた場合に悪影響が少なからず懸念されます。 購入は下記リンクから 楽天Amazon |
![]() 矯正協会「ブルースティック」 | 有機溶剤、アルカリ剤まで入っているため幅広い汚れを落とすことができます。蛍光増白剤は含まれないため、蛍光増白剤が気になるが、洗浄力のある石鹸を使いたいという方にはおすすめです。 購入は下記リンクから 楽天Amazon |
まとめ|成分がわかれば汚れに強くなる!洗剤選びのコツ
洗剤やシミ抜き剤は「なんとなく選ぶ」のではなく、「成分で選ぶ」ことで格段に効果が変わります。
汚れの性質と洗浄成分の相性を知っておくだけで、洗濯の成功率は大幅にアップ。
この記事をきっかけに、ぜひ自分にぴったりの成分・製品選びを始めてみてください。
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